命がけの坂道と、私の暮らし
- 森 美奈子
- 2025年12月9日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年12月16日

我が家のすぐ近くには、急な坂道があります。
最初はゆるやかな上り坂なのですが、途中から急に傾斜がきつくなり、
息を切らしながら登ることになります。
でも、雲ひとつない晴れた日には、左手に富士山が奇麗に見えるんです。
それはもう、思わず立ち止まって見とれてしまうほどの絶景。
この場所に住んでいてよかったなぁと思える瞬間です。
冬の夕方は“命がけ”の坂道に変わる
ところが、冬の夕方、日が暮れて真っ暗になると、この坂道は一変します。
車に跳ね飛ばされそうになる、まさに“命がけ”の坂道に変貌するのです。
一歩間違えたら、あの世へ飛ばされるかも…なんて、冗談のようで冗談じゃない。
それくらい、危ない場所なんです。
花見台バス停からの恐怖の下り坂
夜遅く、保土ヶ谷駅からバスに乗って「花見台」で降りると、そこからがまた大変。
お山のてっぺんから下る坂道は、膝がガクガク。
ちょっとでもスピードが出ると、転げ落ちそうになります。
この坂は「神奈川坂」に沿っていて、両側には住宅がずらりと並んでいます。
どの家も3階建てで、道路に面している玄関が2階や3階にあるという、ちょっと不思議な造り。 まるで生活様式が逆さまみたいです。
歩道の幅は…実質75cm?
道路の幅は、車がすれ違えるくらいありますが、歩道の白線の内側と家の塀の間は、どうやら75cmと決まっているようです。 でも、そこに電信柱があったり、草が生い茂っていたり、ゴミネットが置かれていたりして、スムーズには歩けません。
塀があると少し安心しますが、塀がなくなると、左折・右折どちらも“奈落の底”が口を開けて待っているようで、本当に怖いんです。
街灯は1本だけ。夜道はまさに冒険
曲がりくねった急な坂道や、長い長い階段。 中には、断崖絶壁のような階段もあり、真ん中に掴まるバーがあるものの、街灯は1本だけ。 まともな道なんて、ありません。
だから私は、夜にお酒を少しでも飲んだ日は、迷わずタクシーを使います。
1100円の出費ですが、命には代えられません。
買い物帰りも、工夫が必要
冬の夕方、買い物帰りはなるべく早く帰宅するようにしています。
節約のためにタクシーを使わない日は、大きなレジ袋を右手に持って歩きます。
「歩いてますよ〜!」と車にアピールしないと、本当に危ないんです。
避難も命がけ?
地震が起きたとき、避難場所に行くには、あの急な坂や階段を通らなければなりません。 正直、命がけの避難になります。
むしろ、玄関の外に出て、揺れが収まるのをじっと待ったほうが安全かもしれません。
それでも、住めば都
こんな辺ぴな場所ですが、気がつけばもう5年。
家賃は安く、間取りも気に入っていて、今ではすっかり“住めば都”。
あとは、創意工夫しながら、いかに楽しく、愉快に暮らしていくか。
この坂道も、私の暮らしの一部です。


15年ほど前のこと、南区の高台(返還された米軍住宅や根岸森林公園の近くで、中区山手町からかなり離れてますが、「○○マンション山手」と名乗るマンション多数のエリアです)にある大型マンションに住む知人が、みなとみらいのタワマンに住替えました。
当時、知人は還暦を過ぎたばかりでした。
老後を過ごすには、交通アクセスのいい平地に建つ、大規模で、管理の行き届いたマンションが安全で快適だろうとの判断だそうです。
お引越し後は、ピカピカのタワマン暮らし、MM21から桜木町はもちろん、横浜駅東口のデパートやショッピングモールも徒歩圏内、坂道はないので、ハイヒールでのお出かけを楽しんでらっしゃいました。
そんな中、元のマンションの売却が決まり、ご挨拶やお部屋の最終チェックのために、約1か月ぶりに、かつてのお住まいにいらしたときのことです。
ご主人さまが、以前は毎日朝夕歩いていた坂道が登れなくて、途中で休憩したそうです。
たった1か月で心肺機能や体力が衰えるとは思えません。衰えたのは足腰の状態。
阪東橋駅まで、坂道+平坦で15~20分ほど歩く+電車通勤が、長年、自然と運動になっていたんですね。
逆を言えば、楽な生活をしていると、筋力はすぐに衰える・・・。ぞっとしました。
もちろん、坂道で転んだり、膝や足首が疲弊するリスクと、バリアフリーでの暮らしの安全、安心は、一長一短だと思います。
どちらも「住めば都」。
足りないものを自分の知恵と工夫で補って、健康で快適に暮らせれば一番ですよね。