電車やバスの優先席で揺れる心
- 島田 愛

- 3月10日
- 読了時間: 3分

譲る側・譲られる側、どちらにもある小さな葛藤
今日は、電車やバスの優先席でよく話題になる、席を譲るかどうかの迷いについて、私自身の経験も交えながら綴ってみたいと思います。
「譲るのが当然」と思っていた頃
40代の頃、私は優先席を見るたびに「困っている人がいたら席を譲るのが当たり前」と思っていました。 ところが、年齢を重ねるにつれて、今度は私が“譲られる側”になる場面が増えてきました。 そこで初めて気づいたのです。 席を譲られることは、必ずしも「ありがたい」だけではないということに。
「高齢者扱い?」と戸惑う気持ち
60代になって間もない頃、電車で若い方に席を譲られたことがありました。 優しい笑顔で「どうぞ」と言われ、ありがたい気持ちが湧く一方で、「えっ、そんなに年上に見えるのかしら…?」と、少しだけ胸がざわついたのも事実です。
もちろん、譲ってくださった方に悪気がないことは分かっています。 それでも、「まだ自分の足で立てるのに」「高齢者扱いはちょっと…」という思いが、心の奥で小さく抵抗するのです。これが、今の私にとっての“譲られる側のジレンマ”なのだと思います。
譲る側にもある、あのモヤモヤ
逆に、譲る側の気持ちもよく分かります。 いざ席を譲ろうとしても、
失礼に思われたらどうしよう
断られたら気まずい
周りの目が気になる
そんな不安が頭をよぎること、ありますよね。
見た目だけでは年齢も体調も分からないし、相手の自尊心に触れてしまうこともある。
これが“譲る側のジレンマ”なのだと思います。
私が大切にしたい「相手にゆだねる姿勢」
友人たちの話や、私自身の経験を振り返ると、いちばん大切なのは 「相手が選べるようにすること」 だと感じています。
私が心がけているのは、こんな小さな工夫です。
さりげなく声をかける
「よろしければどうぞ」と、一歩引いた言い方にする。 相手が断りやすくなります。
すぐに座らなくても気にしない
立ち上がったあと、相手が座らなくても気にせず別の場所へ移動。
「断っても大丈夫ですよ」という気持ちを伝えるためです。
柔らかい表情で
眉間にしわを寄せて譲ると、どうしても圧が出てしまいます。 ほんの少し微笑むだけで、相手の緊張もほどける気がします。
揺れる心を抱えたままでいい
席を譲るかどうかに、正解はありません。 人の心は、そんなに単純ではないからです。
譲る側の気遣いと、譲られる側の自尊心。 この二つは時にぶつかり、時に寄り添います。
私は、もし迷ったら 「迷いながらでも一歩踏み出す勇気も大切」 だと思っています。
譲られた側には断る自由があり、譲る側には声をかける自由がある。
大切なのは、お互いの心を尊重することなのだと思います。
優先席は、ただの椅子ではなく、人と人との思いやりが交差する場所。 これからも、乗り合わせた誰かの立場にそっと思いを寄せながら、 自分の中の揺れる気持ちと向き合っていけたら…そんなふうに感じています。


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